和歌山市雑賀町にある「TAI-YA(たいや)」は、“ご飯を主役にしたお店”という言葉がぴったりの釜飯専門店です。白い外壁と木の扉が印象的な外観は、和の雰囲気の中にどこかモダンさも感じられ、まちの喧騒から少し離れてほっと一息つける空間。店内に入ると、木の温もりに包まれた落ち着いた雰囲気が広がり、ふんわりと漂うお米の香りに食欲をそそられます。

このお店の最大の特徴は、注文が入ってから一釜ずつ丁寧に炊き上げるスタイル。釜の中でふつふつとご飯が炊き上がっていく音を聞きながら待つ約20分――その時間さえもごちそうの一部です。スマホを見るのも忘れて、ただ炊き上がりを待つ時間が、いつの間にか心を落ち着かせてくれます。
メニューはこんな感じになっています。

その中で注文したのは鯛飯と鯛のお造りとだし巻き卵!

炊き上がった釜のふたを開けた瞬間、立ちのぼる湯気とともに鯛の香ばしい香りがふわっと広がります。炊き立ての白米の上にふっくらと焼かれた真鯛の切り身がのった贅沢な一品。鯛の旨味がご飯にじんわり染み込み、一口食べた瞬間に幸せが広がります。表面は香ばしく、中はしっとりと柔らかい――まさに炊き立てならではの美味しさです。鯛の上品な塩気とご飯の甘みが絶妙で、ついおかわりしたくなるほど。添えられた薬味やだしをかけて“鯛茶漬け風”にアレンジするのもおすすめです。
セットでいただいた「鯛のお造り」は、透き通るような身の美しさにまず目を奪われます。一口食べると、ぷりっとした食感と共に、鯛の甘みが口いっぱいに広がります。しっかりと身が締まりながらも、噛むほどに旨味が増していく感じ。わさび醤油との相性も抜群で、まさに“主役級のサイドメニュー”。新鮮さが際立つ一皿でした。
そして忘れてはいけないのが、だし巻き卵。

ふんわりとした厚みのある卵焼きは、箸を入れるとじゅわっと出汁がしみ出してきます。口に入れると、甘すぎず、出汁の香りがしっかりと感じられる絶妙なバランス。上品で飽きのこない味わいで、鯛めしとも相性抜群です。家庭の味よりも一段上の丁寧さが感じられ、「丁寧に作られているなあ」と思わず呟いてしまいました。
店内はナチュラルな木の素材を生かした温かみのある内装で、カフェのような雰囲気。

女性ひとりでも入りやすく、ランチタイムには友人同士やご夫婦で訪れる姿も多く見られます。炊き立ての釜飯が運ばれてくる瞬間、店内がふんわりと湯気に包まれる光景も印象的で、写真好きの方なら思わずシャッターを切りたくなることでしょう。
お店は中ぶらくり丁から徒歩圏内の雑賀町にあり、観光や買い物の合間にも立ち寄りやすい立地です。駐車場はありませんが、周辺にはコインパーキングが点在しているので車でも安心。和歌山市駅からもアクセスしやすく、観光客にも人気のエリアです。
「TAI-YA」は、ただ食事をする場所ではなく、“ご飯を炊く時間を味わう場所”。湯気の向こうに見えるのは、時間をかけて丁寧に作られた一膳と、それを待つ心のゆとりです。炊き立ての鯛めしを頬張り、だし巻き卵で口を休め、鯛のお造りで締める。どれも派手さはないけれど、一つひとつが心に残る優しい味でした。和歌山に訪れた際には、ぜひ一度足を運んでみてください。お腹だけでなく、心まで満たされる時間になるはずです。
| 店名 | 『TAI-YA』鯛と、釜飯と。 |
| 住所 | 和歌山市雑賀町60−1 |
| TEL | 080−9162−1551 |
| 定休日 | 月曜日 |
| 営業時間 | 10:00〜17:00 |
| 駐車場 | 無(近隣にパーキング有) |

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